風船の行方

 

ある時ある人から風船を貰った
見上げたその人はとても素敵な人だった
退屈で窮屈だった自分の生活の中で その風船は その人の笑顔は
とても綺麗で魅力的で
時が経つうちに 風船はぷかぷかと揺れ浮き始めた
あの人から貰った風船を手放すことが出来きなかった
必死にその風船につかまった
大丈夫だと思っていた
所詮あの人はは別の世界の人で
恋?そんな感情ではない
憧れに近いやさしい気持ち
風船と一緒にぷかぷか浮かぶ
そんなやさしい気持ちのはずだった
その人は私の人生の中で、すれ違うだけの人
立ち止まって話すことも、ともに歩くことも無い
ただ、すれ違ったそれだけの人
恋じゃない 愛じゃない
・・・そうでしょ?
ならば、この苦しさはなんなのだろう
頭の中はあの人の笑顔でいっぱいで
風船もどんどんどんどん大きくなって
ふと下を見た
風船は高く高く上っていた
何時の間にこんなに高く上がったの?
もう降りられない
危険 危険 危険 危険 
これ以上は駄目
これ以上は上っては行けない
それなのに風船はぷかぷかと天を目指す
あの人への気持ちと比例してどんどん大きくなる
綺麗な綺麗な赤い風船だった
今では色もよく分からない程に大きくなって
少しでも触れれば割れてしまいそうで
時折嫌な音を立てる
危ない
そう思ったのが最後だった


瞳を開ければいつもの景色

退屈で窮屈ないつもの生活
ただ、違うのはぽっかりと開いた私の心
あの人が居ない
風船の姿も見えない
全て幻だったの?
そんなはずは無い 今でも残る あなたの笑顔
あの風船は何処へいってしまったのだろう
手を離してしまったのだろうか
想いに絶えられず割れてしまったのだろうか
今でも目に残るのは貴方の笑顔と 綺麗な赤
ねぇ、風船は何処へ行ってしまったの?