本当のキミ

今ここに存在しているのは 本当の私ではないのです
そう言って 綺麗に笑ったキミ
その笑顔さえも作り物なの
そうならば 本当のキミはどんな表情をするのだろう
そして僕は願ってしまった
本当のキミを知りたいと
今 僕の前に存在しているキミも キミが言う 本当のキミも
僕だけに全てを見せてほしかった
そして キミの支えとなりたかった

そう僕は心のそこから願ってしまった。
そして信じてしまった。
僕が キミの支えになれるのだと・・・

あの頃は気づけなかったのです
キミの全てを知るという事が キミを壊してしまうことに
キミが唯一本当の自分で居れる場所を 奪ってしまうことに
あの頃の僕は 気づけなかったのです

そしてキミは壊れてしまった
いや 僕がこの手で壊してしまった

あの頃見せてくれていた あの綺麗な笑顔はここにはなく

今 僕の見ることの出来る キミの顔は
唯一自分の全てを知る 僕を消し去ろうとする凶気に満ちた顔だけです

それでも僕は 信じているのかもしれません
キミの支えになれると
僕という存在で キミの笑顔を取り戻せると
そう 今もきっと信じているのです

ですが それも疲れてしまいました
僕が居なくなることで キミに笑顔が戻るのであれば
僕はそれでも構わないと
キミにこの命を ささげようと

そう決心し キミの前に立つ今 やっと気づけたことがありました
きっと これが本当のキミなのだと
今 僕の前に立つ君が 僕が知りたいと望んだ キミなのだと
そして 本当のキミを見ることが出来たのは
これまでも そしてこれからも きっと僕一人なのだと

薄れ行く意識の中で 僕は思ったのです
僕は キミを 愛しているのだと
そして 冷め行く僕を抱きしめ 涙を流すキミも
僕を 愛してくれていたのだと